組織風土がチームを造る
トップリーグはかつて社会人チームと呼ばれていて企業が運営をしています。会社には歴史や成立ちによって社風・組織風土と言うものがあります。
伝統のある会社は良き伝統を尊重し事業を成長させて行きますし、若い会社は活き活きと新しい事業に挑戦しています。
プロ選手
トップリーグの選手はチームとプロ契約をしている選手と会社の社員として職場でも働いている選手がいます。多くの外国人選手はプロ契約をしているようです。日本人でもプロ契約をしている選手はいます。
プロ選手、プロ監督・コーチのチームだとしてもチームには歴史があり、チームを運営している大部分の人は会社の人達なので屋台骨は企業なので企業風土が染み込んでいます。
はたらくおじさん
➜働くおじさんへ
工業
東芝、ヤマハ、トヨタは工業で世界有数の大企業です。社員選手はほとんどが工場勤務をしています。
東芝は府中事業所で働いていて生産担当が多かったです。府中事業所は電車、エレベーター、高電圧切り替え機など社会インフラの公共施設や大型の建物の動力となる電機製品を造っています。JR武蔵野線の北府中駅は東芝府中事業所に隣接していて電車を工場へ引き込む線路があります。日本一の高さを誇るエレベーターの試験棟が目印になっています。
ヤマハ発動機の磐田工場、豊岡工場はオートバイ、モーターボートを造っていてラグビー部の社員選手は検査工程などで働いていました。
トヨタは工場によって製造している車種が異なります。高級車のクラウンを製造する工場が一番優秀だと聞いたことがあります。
工業と言うのは、決まった材料を、決まった方法で、加工すると同じ規格の製品が出来上がります。製品によって加工する工程が多い物、少ない物、工程が複雑な物、単純な物、自働化された物、職人技の勘・コツが必要な物まで千差万別です。
食料品は材料の微妙な調整、大量に加工するため機械化されている工程が多いです。自動車も大きくて重たいので力の要る作業や3Kと呼ばれる危険・汚い・キツイ作業は機械化・自働化されていますが、内装の組立や検査の工程は人間に頼っています。
自分達の強みをきちんと分析をして磨き上げる(何を、いつ、誰が、何処で、何故、どうやって、やるかを決めて着実に実行する:5W1H、What/When/Who/Where/Why/How)ことによって強さを追究します。達成出来たことはチームの強みとなり、相手を圧倒出来ます。目標を達成出来ても強くなれないのは、目標設定が甘かったからでしょう。
チームで作業することが多いので、チームワークの特に重要なスクラムやラインアウト、モールと言ったフォワード・プレーが得意でオーソドックスにキックで陣地を前に進めてフォワードの力勝負をします。
パワフルなエンジン同様で伝統的にフィジカルが強いトヨタ、親に見せられない痛い練習で鍛えたフォワードの機動力が武器の東芝、セットプレーに自信を持っているヤマハを個人的に工業ラグビーと呼んでいます。
鉄鋼業
一方、同じ工業でも鉄鋼業は少し異なります。鉄鋼業は国家事業だったので優秀な人材が揃っていて鉄鋼事業の発展が高度経済成長となり、以降は事業再開発のための柔軟さが要求されました。その影響があり、相手の出方によって臨機応変に対応するラグビーをしていたのが共に日本選手権七連覇を達成した新日鐵釜石、神戸製鋼でした。鉄の肉体と鋼の精神力、そして相手の隙を見つけて突くのが上手でした。
野武士軍団
パナソニックはかつて三洋電機時代に野武士軍団と呼ばれた荒々しいラグビーが根付いていています。接点に強くブレイクダウンでボールを奪い取り一気に走り切るスタイルを確立しました。都心から離れた群馬県大泉の工場で突破力のある選手が伸び伸びとプレーしていた印象があります。元々は松下電器だった三洋電機が独立しましたが経営統合でパナソニックに再び吸収されました。新しく事業を開拓して行った独立心の強い開拓者精神が根付いているのかもしれません。
➜頑張れ工業高校へ
ビール
サントリーはお酒の会社です。ビール、ウイスキー、ワインやノンアルコールの飲料を製造して販売しています。
➜ビールの製造工程へ
ラグビー部員は営業担当が多くて都内の会社や商店を回って自社商品の売り込みをします。繰り返し繰り返しお客様の所に足を運ぶためか、連続攻撃が得意です。我慢強く攻め続け、機会を見つけて一気に攻め込むのが効果的です。
➜勝利の美酒はもちろん
個々の優れた能力を集結してチームプレーを重んじるラグビーは、企業スポーツとして社員の意識高揚・一体感を高めるのに良いと言うことで、日本は社会人ラグビーと言う世界的には珍しい風土で発展して来ました。
➜社会人ラグビーへ
決して諦めない強い気持ちを持ったラガーマンが職場にいると頼もしい限りです。ラグビーだけでなく仕事も頑張るラガーマンを応援して下さい。
個人的な意見ですので、行きたいチームが自分の思っていたのと違うと言うことで進路を変えたりしないで下さい。