ラグビー・ワールドカップを盛り上げるのに一役買ったTBS日曜劇場の連続ドラマ『ノーサイドゲーム』。
原作は『下町ロケット』『陸王』などの作者、池井戸潤です。仕事に情熱を賭ける熱血社長とその情熱に牽引され一生懸命に取り組む従業員や家族の奮闘を描いたサクセス・ストーリー。技術屋の情熱でロケット部品の開発、ランニング・シューズの開発は技術屋さんには共感するものが多々あり、引き込まれて行きました。心を揺さぶられて感動で涙をした良いドラマでした。
そんな原作者が創る面白いドラマでしかも大好きなラグビーを題材にした物語を見逃す手はあません。期待満々で視聴しました。
▷原作は
ノーサイド・ゲーム [ 池井戸 潤 ]
目次
ストーリー
トキワ自動車のエリート・コース経営戦略室の主人公・君嶋隼人(大泉洋)は権力争いに敗れ地方に左遷。左遷先は東京都府中市。新しい勤務先は、トキワ自動車の府中工場の総務部長。総務部長は同社の強化スポーツ、ラグビー部(アストロズ)のGM(General Manager)も務めます。ラグビーのラの字も知らない君島は総務部の部下でラグビー部のキャプテン岸和田徹(高橋光臣)、マネージャーでアナリストの佐倉多英(笹本玲奈)らに教わりながら、次第にラグビーの魅力にはまって行きます。ラグビー部の運営資金(年間14億円)の予算確保、新監督の選定、アストロズの強化、観客動員の増加、ラグビー協会の改革そして社内権力争いが絡み合います。
アストロズ
トキワ自動車の企業PRと従業員の士気高揚、工場周辺の地域との交流を図る強化スポーツのラグビー部のチーム名。プレミアム・リーグと言うラグビーの日本最高位のリーグで優勝経験もある名門チーム。ここ最近の成績は低迷していて存続の危機を迎えている。
メンバー
ポジション | PR/HO | HO |
役名 | 端本太郎 | 笠原豪 |
芸名 | 端本太郎 | 笠原ゴーフォワード |
出生年 | 1987年 | 1989年 |
身長/体重 | ||
出身 | 東海大仰星高校 | 筑紫高校 |
東海大 | 明治大 | |
クボタ | ||
PR | PR | PR |
立川悟 | 岩爪航 | 林田公一 |
水本竜弥 | 岩爪航 | 株木孝行 |
1992年 | 1985年 | 1989年 |
172cm/103kg | 183cm/112kg | |
盛岡工高 | 國學院大栃木高校 | 浦和工高 |
パナソニック | 法政大 | 立正大 |
クボタ | クボタ | |
関東代表 | ||
HO | PR | LO |
伊吹誠介 | 飯野雄貴 | 西荻崇 |
伊吹誠介 | 飯野雄貴 | 田沼広之 |
1987年 | 1994年 | 1973年 |
178cm/120kg | 193cm/90kg | |
明大中野高校 | 保善高校 | 湘南学園高校 |
明治大 | 国士舘大 | 日体大 |
U19日本代表 | DDTプロレスリング | リコー |
日本代表42キャップ | ||
RWC1999/2003 | ||
LO | LO | LO |
大和航平 | 阿久根潤 | 工藤元気 |
北川勇次 | 阿久根潤 | 工藤元気 |
1986年 | 1977年 | 1990年 |
195cm/106kg | ||
大阪桐蔭高 | 修猷館高 | 盛岡第一高 |
関東学院大 | 慶応義塾大 | 筑波大 |
パナソニック | 東京ガス | 東京ガス |
釜石SW | 日本代表 | U20日本代表 |
日本代表6キャップ | ||
RWC2011 | ||
LO | LO/FL | LO/FL |
渡辺真也 | 仲村慎祐 | 森本竜馬 |
しんや | 仲村慎祐 | 森本竜馬 |
1990年 | 1987年 | 1990年 |
190cm/120kg | 183cm | |
大阪商大高 | 報徳学園高 | 甲南高校 |
帝京大 | 日本大 | |
サントリー | ||
サントリーフーズ | ||
日本代表6キャップ | ||
LO/FL | FL | FL |
秋元太一 | 友部祐規 | 安西信彦 |
板垣悠太 | コージ | 齊藤祐也 |
1996年 | 1987年 | 1977年 |
182cm/82kg | 185cm/100kg | |
玉川学園高 | 東京高校 | |
早稲田大 | 法政大(アメフト部) | 明治大 |
サントリー | ||
USコロミエ(仏) | ||
神戸製鋼 | ||
豊田自動織機 | ||
日本代表14キャップ | ||
RWC2003 | ||
No. 8 | SH | SH |
本波寛人 | 佐々一 | 里村亮太 |
天野義久 | 林家たま平 | 佳久創 |
1972年 | 1994年 | 1990年 |
183cm | 185cm/92kg | |
国学院久我山高校 | 明大中野高校 | 愛知高校 |
明治大 | 明治大 | |
サントリー | トヨタ自動車 | |
日本代表 | ||
SH | SH | SO |
井上卓哉 | 小野勘太 | 浜畑譲 |
井上卓哉 | 邉津勘太 | 廣瀬俊朗 |
1991年 | 1996年 | 1981年 |
164cm/74kg | 173cm/81kg | |
東京高校 | 早稲田実業 | 北野高校 |
関東学院大 | 早稲田大 | 慶応大 |
クボタ | 東芝 | |
日本IBM | 日本代表28キャップ | |
関東学生代表 | RWC2015 | |
SO | SO/BK | CTB |
七尾圭太 | 小西大樹 | 戸村銀太郎 |
眞栄田郷敦 | 小西大樹 | 髙橋銀太郎 |
2000年 | 1987年 | 1984年 |
183cm | 166cm/70kg | 174cm/82kg |
御所工高 | 東農大第二高 | |
東海大 | 早稲田大 | |
パナソニック | クボタ | |
豊田自動織機 | 平尾プロジェクト1期生 | |
CTB 主将 | WTB | WTB |
岸和田徹 | 岬洋 | 中本元気 |
高橋光臣 | 鶴ヶ﨑好昭 | 勝山翔 |
1982年 | 1990年 | 1993年 |
176cm | 185cm/93kg | |
常翔啓光学園高 | 三沢商高 | 磐城高 |
東洋大 | 東海大 | |
パナソニック | ||
7人制日本代表 | ||
WTB/FB | FB | FB |
新井龍一 | 石川悠太 | 玉木俊太 |
新井龍一 | 石川悠太 | 榎本鉄平 |
1986年 | 1996年 | 1984年 |
東海大相模高 | 玉川学園高 | 保善高 |
東海大 | 東京大 | 関東学院大 |
NTTドコモ | サントリーフーズ | |
U19日本代表 | ||
FB/CTB | MG | |
高輪祐太 | 有馬真吾 | |
眞弓葉詩 | 村田琳 | |
1991年 | 1997年 | |
175cm | ||
帝京高 | 青山学院中等部 | |
Sedbergh School(Eng) |
ラグビーのシーンではパスが上手いなぁと思っていたら、本物の元日本代表のキャプテンSO/WTBの広瀬俊朗 を始め本物のラグビー選手がゾロリといたのに驚きです。明治大・神戸製鋼で活躍した齊藤祐也は気が付きましたが、みなさんを調べたら上手な訳です。弱小公立普通高校出身で社会人二部の私なんかより、はるかに凄い経歴のラガーマンたちでした。
田沼広之
(西荻崇役)
日体大時代からノッポでひょろりとした体系で、それまでのガッツリ当たるロックのプレー・スタイルからライン・アウト、キック・オフのハイ・ボールに強く、献身的にポイントに走り回るロックのスタイルに変貌させました。一見 昔ながらのロックに比べるとひ弱に見えますが、ラグビーは相撲のような瞬発力が必要な短距離型と合わせて80分間走り回る長距離型の要素も必要なスポーツなんです。タヌーの愛称で親しまれ、ロックながら7人制日本代表にも選出、ラグビー・ワールドカップ二大会に出場しました。リコーのコーチを経て、日体大ラグビー部の監督です。
天野義久
(本波寛人役)
国学院久我山➜明治大とラグビーの王道を歩み、突破力抜群のフランカーとして大活躍しました。『ノーサイドゲーム』を観た時は、ガレッジセールのゴリはやけにラグビー上手いなぁ、経験者なのかなぁと思っていましたが、かつてのラガーマンはすっかり役者になっていたんですね。スポーツ関連事業を設立。
齊藤祐也
(安西信彦役)
明治大のNo. 8としてはたから見るとあまり力強く見えないのだけれど、スピードがあり、しなやかなアタックでスルスルと前進していました。4年生の1999年度はキャプテン。サントリーに入り、全国社会人大会、日本選手権で優勝。海外フランスのプロ・ラグビーに挑戦し、日本ラグビーに戻ると一層破壊力が増し、神戸製鋼の個を生かすラグビーにフィットしていました。当時流行った肩パッドとジャージーの襟を中に入れるスタイルが印象的でした。何故、流行ったのか、イングランドのプロップが襟を中折りしていた真似だったのでしょうか・・・。起業家とても活躍。
廣瀬俊朗
(浜畑譲役)
ラグビーを始めてから常にチームのキャプテン(北野高、慶大、東芝、日本代表)を務める優れたリーダー・シップを持っています。決してズバ抜けたスピードでは無いのですが、ボールの前進、キープ力、継続 そしてディフェンスの総合力でWTBのポジションを勝ち取りました。東芝では司令塔のSOとしてゲームをコントロールもしました。ラグビー・ワールドカップ2015のイングランド大会ではメンバー入りするも試合出場は叶わく、サポート・メンバーとして練習台を務め、あの世界中を驚かせたスポーツ史上最大の番狂わせ(日本 34-32 南アフリカ)ブライトンの奇跡の前日に日本代表メンバーの所属チームからの応援メッセージ・ビデオを編集して披露し気持ちを盛り上げた影の功労者と言われています。
林家たま平
(佐々一役)
本業は落語家で父親は9代目林家正蔵。中高とラグビーをやっていました。
眞栄田郷敦
(七尾圭太役)
父は千葉真一。アメリカ、ロサンゼルス出身。サックスフォン、ギター、バスケットボール、空手、英語と多才。
府中市
府中市は29.43k㎡の面積、人口26万人の東京都の中央にある多摩地区の市で東京競馬場、大手企業の工場があり、税収が多く緑が多いことから住みやすい街のひとつです。ユーミンの名曲・中央フリーウェイに登場してくる右に競馬場(➜東京競馬場)、左にビール工場(➜サントリー武蔵野工場)の舞台です。国立や秩父宮でラグビー観戦した帰りに車で中央高速を走っているといつも思い出します。日本犯罪史上最も有名な三億円事件は東芝府中工場の冬のボーナスを運ぶ現金輸送車を白バイ警察官に変装した犯人が府中刑務所前で強奪した未解決事件です。以降、給料、賞与は現金支給から銀行振込みになったそうです。
東芝府中事業所
東京都府中市東芝町1。ドラマの舞台、トキワ自動車の府中工場は総合電機メーカーの東芝、府中事業所です。かつては東芝府中工場と呼んでいました。東芝の社会インフラ事業の中核工場で広さ66万㎡で東芝の工場の中でも大きな工場のひとつです。従業員約1万人で電車、エレベーター、放送・通信機器、産業用コンピューター、電気制御盤 などを製造しています。JR武蔵野線の北府中駅の南口改札を出ると事業所の敷地になっていて、電車の引き込み線があります。
TBS日曜日の夜9時から10時の放送の日曜劇場はかつて東芝日曜劇場と言っていて、サザエさんと一緒で東芝の一社独占スポンサーでした。一話完結ドラマから連続ドラマになりました。
東芝ブレイブ・ルーパス
ラグビー部は社会人の名門で現在トップ・リーグの東芝ブレイブ・ルーパスで、日本代表のキャプテン、リーチマイケル、ワールドカップ2019日本大会では試合出場はありませんでしたが、德永祥尭が所属しています。
前回ワールドカップ2015イングランド大会に出場した最年長の鉄人、大野均、三上正貴も選手として頑張っています。全国社会人大会優勝3回、トップ・リーグ優勝5回、日本選手権優勝6回の名門です。
府中事業所の従業員で活動しているので東芝府中と言う登録名でしたが、府中事業所以外の東芝全従業員が応援してくれるようにと東芝となり、トップ・リーグ発足時に東芝ブレイブ・ルーパスとなりました。
戸嶋監督時代、合同練習で花岡キャプテンに指導をしてもらい、基礎体力の凄さに驚きました。分かれての三列の練習で蛙ジャンプを22mラインからゴールまでひたすらやった嫌な想い出の地です。まだ土のグラウンドでした。向井監督時代に1千万円かけて芝にしたそうです。鳩が種を食べちゃうのに悩んでいると新聞か雑誌で読んだか聞いたことがあります。雑草が入り込まないようにラグビー場の周りは陸上トラックのゴム製レーンで囲ってありました。
トップ・リーグのサントリーのグラウンドが南側の多摩川沿いにあり、両チームの対決は府中ダービーと呼ばれています。
府中事業所内に天然芝のグラウンドと人工芝のグラウンドが各1面あり、練習や練習試合で使用します。地域社会との交流のため、小中学生を対象としたラグビー・スクール、ブレイブ・ルーパス府中ジュニアをラグビー部のOBが中心となって運営しています。中学生の東京都選抜チームの練習場所にも使用しています。また小中高生とシニアの女子向けのラグビーチーム、ブレイブ・ルーヴはOBの元日本代表、松田努がヘッド・コーチとして指導をしています。
プロ野球のロッテ、巨人、中日で活躍し中日の監督だった落合博満を輩出した東芝府中野球部は人工芝グラウンドの場所にあった野球場で練習していましたが1999年に廃部となり、東芝野球部(川崎市)に吸収されちゃいました。
子どものラグビーの試合で何度も応援に行きましたが、事業所内は禁煙のため、喫煙は一旦外に出なければならず、人工芝グラウンドからだとかなりの運動になります。
そんな身近な場所がテレビに出て来ていたので、親近感が湧きましたし、テレビ映りが良いなぁと観ていました。カメラさんの周りには照明さんなどのスタッフが大勢いるから良い映像が出来上がるんですね。
視聴するには
未だ観ていないと言う人もいるでしょう。ラグビー経験者によるラグビー・シーンを楽しんでください。こんなこと考えているんだと言う新しい発見もあります。サラリーマンのドロドロとした権力争いとラグビー好きな人のやさしさを感じることが出来て素直になれるドラマですので是非、観て下さい。
テレビ放送では、気が付かなかったかつての名選手を見つけてください。ラグビー・シーンがより楽しくなります。
DVDでの視聴はこちらから