ラグビーのルールは難しいと言うことを良く聞きますし、ラグビーは分らないので見ないと言うことも良く聞きます。
こんなにも面白いラグビーを知らないなんて、なんてつまらない人生なんだろうと言うことにならない様に、ラグビーのルールを説明します。
ルールが分からなくても楽しめるのがラグビー。やっているプレーヤーだってルールの全てを知っている訳ではありません。
楽しくなれば、もっとラグビーが知りたくなる。
目次
ラグビーは、
ボールを後ろにパスして相手の陣地に持ち込み、グラウンディング Groundingをする。
たったこれだけなんですが、反則や状況によって再開方法が変わったり、条件があったり再開方法を選択出来るオプション Optionがあったり、反則があっても相手に有利だったらプレーが続行するアドバンテージ Advantageなどと複雑に絡み合ったり、または用語が英語なので難しいのかもしれません。
オプションと言うと新車を買うときに選ぶ機能追加するグレードアップのことです。工場で付けるメーカー・オプションと販売店で付けるディーラー・オプションがあります。
メーカー・オプションにはサンルーフ、オートマ、パワステ、フォグ・ライト、電動ミラーなどで、ディーラー・オプションはカーナビ、コンポ、ETC、塗装コーティング(ホンダではペイント・シーラント)などです。
オートマ、パワステ、電動ミラーは、最近はほとんど標準装備されています。塗装コーティングはお勧めです。洗車の時にワックスをかけなくて水洗いだけで良いんです。車検の時に塗装の点検と追加塗装をしてくれました。
オプションとは選択出来ると言う意味です。
相手陣のインゴール In Goalにグラウンディングすることをトライ Tryと言います。 トライをするために、ボールを持ったプレーヤーはボールを前にパスする以外は何をしても良いのが、とっても楽しいところ。
何をしても良いというのは、芝生に寝転がってのんびりしたり、ビールを飲んだりと言うことでは無く、ボールをプレーするのは何しても良いと言うことです。
ボールを持って走っても良いし、自分より後ろにパスをしても良いし、キックをしても良いんです。
色々な球技の中でも、誰がボールを持っても良いし、さらに好きなだけ走って良いのは、実はラグビーだけなんですよ。夢中になる訳です。
トライをするとトライした地点から自陣の方向に下がりキックを狙えます。
コンバージョン Conversion:ゴールポスト Goal postに決まると得点になります。
トライをされたらグラウンドの中央からキック・オフ Kick Offでゲームが再開されます。得点された側がキックします。
攻撃している相手からボールを奪う唯一の方法がタックル Tackleです。ラグビーの中でも最も華やかで勇気のいるプレーです。
タックルをされて倒されるとボールを離さないといけません。相撲と似ていて、地面に手や膝、胴体が着くと倒されたことと見なされてタックルが成立したことになります。
やっちゃいけないこと
ラグビーの反則は、軽い反則と重い反則、中くらいの三種類があります。
軽い反則
は、
×ノック・オン Knock On:ボールを前に落とす。と
×スロー・フォワード Throw Forward:前にパスする。
➡スクラム Scrum
重い反則
は、ペナルティ Penalty。
ボールより前でのプレー、危険なプレー、トライへの流れを妨げるプレーに対して反則となります。
➡ペナルティ・キック Penalty Kick
ペナルティ・ゴール Penalty Goalを狙えます。
繰り返しの反則、危険なプレーは、
➡レッド・カード(退場)、
イエロー・カード(一時退場)シン・ビン
になることもあります。
シン・ビン Sin Bin:罪の牢と言う意味で10分間グラウンドの外に出て頭を冷やします。
ボールより前でプレーしてはいけません。
×オフ・サイド Off Side
ボールを奪い合っている密集は、ひとかたまりなので、大きなボールと思うと分かり易いです。
首へのタックルは危険です。
×ハイ・タックル High Tackle
ラリアットをしようとしてタックルに行くプレーヤーはいません。自分より小さいプレーヤーにタックルに行ったり、思ったより近くに切れ込んで来たりすると、高い姿勢になっちゃいます。
ボールを持っていない人にタックルしてはダメです。
×ノーボール・タックル No ball Tackle
×アーリー・タックル Early Tackle
×レイト・タックル Late Tackle
ジャンプして空中にいるプレーヤーにタックルしたら危険です。
×デンジャラス・タックル Dangerous Tackle
タックルで持ち上げたら危険です。
×デンジャラス・タックル Dangerous Tackle
タックルされたらボールを放します。
×ノット・リリース・ザ・ボール Not Release the Ball
ボールに覆いかぶさってはいけません。
×オーバー・ザ・トップ Over the Top
ボールより相手陣側に倒れてしまったら速やかにどかないと邪魔です。
×ノット・ロール・アウェイ Not Roll Away
スクラム、ラックの中で手を使ってボールを扱ってはいけません。
×ハンド Hand
スクラム、モール、ラックを崩すと危険です。
×コラプシング Collapsing
首を取られると姿勢が悪くなり力が入らなく押されてしまうので、組み直したいので頭から落ちます。お互いのかけ引きで犯人は判っているのですが、レフリーが正しく無い時もあるようです。
ボールを持っていないプレーヤーはディフェンスの邪魔をしてはダメです。
×オブストラクション Obstruction
反則したら自陣側に10m下がります。
×ノット10mバック Not 10 meters Back
足を引っかけたらダメです。
×危険なプレー
中くらいの反則
は、
人数違反、不正なボールの投入などで、
➡フリー・キック Free Kick
は、ゴールを直接狙えません。
ライン・アウトはボールを投げ入れる側のプレーヤーの人数と同じか少ない人数が並びます。
×フリー・キック
ライン・アウトはタッチ・ラインから5m以上ボールを投げなければいけません。
×ノット5m Not Five meters
ライン・アウトでボールを投げる前にジャンプしたり、プレーヤーを持ち上げてはダメです。
×アーリー・ジャンプ Early Jump
スクラム、ライン・アウトのボールは真ん中に投げます。
×ノット・ストレート Not Straight
スクラムはレフリーの合図で組み合います。
×アーリー・エンゲージ Early Engage
スクラムでフッカーはボールを投げ入れる前に足を上げてはダメです。
×フット・アップ Foot Up
スクラム、モール、ラックでボールが出た様に惑わせるプレーはダメです。
×フリー・キック
20年くらい前は、スクラムから良くハーフがパスをするふりのダミーをしていましたが、相手も良く見ていました。たまに引っかかって飛び出してオフ・サイドと言うのは何とも紳士的では無いです。
遅延行為
故意に時間を遅らせてはいけません。
×フリー・キック
危険な姿勢
頭を腰より下げてモール、ラックに参加しては危険です。
×フリー・キック
ドロップ・キック Drop Kickとは、プロレスのそれとは異なります。ボールを一度、地面に落として(ドロップ)弾んだボールを蹴ります。因みにラグビーではプロレスのドロップ・キックをしたら危険なプレーでペナルティとなりレッド・カードで退場となるでしょう。
ゴール・ラインとタッチ・ライン近辺の反則は、5m地点からのプレーで再開します。
スクラム
最前列3人ずつの原則1チーム8人で組み合いボールを争奪する。
ノック・オン、スロー・フォワードの軽い反則、密集でボールが停滞した時の再開で行われるセット・プレー。
⇨スクラムの記事へ
スクラムの中のボールは手で拾ってはいけない。足で掻き出すか、スクラムを押し込む。スクラムからボールが出るまでは、外からスクラムの邪魔をしてはいけない。
ライン・アウト
2人以上7人以内がタッチ・ラインから5mと15mの範囲内に1m間隔で並び、ボールを争奪する。
ボールがタッチ・ラインの外に出た時に再開するセット・プレー。
ライン・アウトに参加していないプレーヤーは10m下がる。
タックルされるとボールの前進が停まり、お互いのチームのプレーヤーがボールを取ろうと
集まってくる、おしくらまんじゅうの様な状態を密集と呼んでいて、
モール Maul
ボールを持って立ったまま密集となった状態。
ボールをもっているプレーヤーと双方一人ずつが集まるとモールとなり、オフ・サイド・ラインが出来る。
ラック Ruck
ボールが地面にある密集の状態。
双方の立ったプレーヤー一人ずつが集まるとラックとなり、オフ・サイド・ラインが出来る。
ラックの中のボールは手で拾ってはいけない。足で掻き出すか、ラックを押し込む。
と言う。密集に参加するには、密集の最後尾から参加しないといけない。密集に参加していないプレーヤーは密集の最後尾まで下がらないといけない。
ラグビーのグラウンド
縦100m × 横70m
インゴール22m
以内
年齢別のルールはこちら
プレーヤー
は15人と球技では最も多い人数で、お互いの意思疎通がとても大事です。
年齢別のルールはこちら
得点は、
トライ5点
コンバージョン2点
ペナルティ・ゴール3点
ドロップ・ゴール3点
ゲーム時間は
前半40分、後半40分
年齢別のルールはこちら
ゲーム終了は、ノーサイド No side、敵味方なしでお互いの健闘を称えるのもラグビーならではの文化です。
ラグビーのポジション
FW8人 + BK7人
相手陣に向かって前にいるのが
フォワード。ボールを獲得して、
バックスがパスして走ってトライする。
パターンが多い。
フォワード Forward[FW]
フロント・ロー Front Row
①左プロップ Loose head Prop
ルーズ・ヘッド・プロップ
②フッカー Hooker
③右プロップ Tight head Prop
タイト・ヘッド・プロップ
セカンド・ロー Second Row
④左ロック Left Lock
⑤右ロック Right Lock
バック・ロー Back Row
⑥左フランカー Blindside Flanker
ブラインド・サイド・フランカー
⑦右フランカー Openside Flanker
オープン・サイド・フランカー
⑧ナンバー・エイト No.8
バックス Backs[BK]
ハーフ Half Backs
⑨スクラム・ハーフ Scrum Half[SH]
⑩スタンド・オフ Stand Off[SO]
フライ・ハーフ Fly Half
ファースト・ファイブ(・エイス) First Five(Eighth)
スリー・クォーター Three quarter Backs
センター Center Three quarter Backs[CTB]
ミッド・フィールド Mid field
⑫左センター Inside Center
イン・サイド・センター
セカンド・ファイブ(・エイス) Second Five(Eighth)
⑬右センター Outside Center
アウト・サイド・センター
ウイング Wing Three quarter Backs[WTB]
バック・スリー Back Three
⑪左ウイング Left Wing
⑭右ウイング Right Wing
⑮フル・バック Full Back[FB]
ラグビーでボールを前進させる方法は
二つしかない。
ボールを持って走るか
ボールをキックする。
キック
をすると相手にボールを
渡してしまうことが多いが、
陣地を前に進めることが出来る。
キックを蹴った人の前にいる味方のプレーヤーは、プレーしてはいけない。
×オフ・サイド
その場で邪魔にならない様にじっとしているか、自陣側に下がり、蹴った人の後にいたプレーヤーに追い抜かれるとプレーに参加出来る。追い抜くプレーヤーはボールを追いかけて「オン・サイド」と合図の声をかけて走って行く。
ボールがグラウンドの外に出たら、
横に出ると
➡ライン・アウト Line Out
キックを蹴った側と反対側のチームがボールを投入するが、ペナルティのキックはキックした側がボールを投入する。
ライン・アウトの場所は、自陣22mライン内からキックしたボールは、タッチ・ラインの外に出た所から。
22mラインの外からのキックはノー・バウンドでタッチ・ラインの外に出たらダイレクト・タッチと言いキックした地点に戻る。グラウント内でバウンドさせてタッチ・ラインの外に出たらタッチ・ラインの出た所から。
22mライン内にボールを戻してキックしたら、22mラインの外からキックしたことと同じ扱いになります。
タッチ・ラインの外に出たボールがグラウンド外の障害物などに当たっていなければ、ライン・アウトの地点より自陣側からクイック・スローインでプレーを再開出来ます。
攻め手が無いから、とりあえずキックを蹴っとけ。みたいな無意味なキックを減らす目的で、フェアー・キャッチ Fair Catchがあります。自陣22mライン内でノーバウンドのキックをキャッチする時に「マーク Mark」と叫びます。
×フリー・キック
25年くらい前は、両足を付いて静止していないとフェア・キャッチで無かったのにキャッチするプレーヤーの安全のため、ジャンプしたり、走りながらでも、認められる様になりました。
地味に見えるけど、少しでも陣地を前進させたいのとボールは確保したいと言う二兎を追っているので、キックの蹴り合いになることもあります。
縦に出ると
攻撃側がボールを相手陣のインゴールの外(デット・ゴール・ライン Dead Goal Line、タッチ・イン・ゴール Touch In Goal)に出した場合 または、攻撃側が持ち込んだボールを守備側のプレーヤーがインゴールでグラウンディングした場合
➡ドロップ・アウト Drop Out
22mライン上から守備側がドロップ・キックで再開します。
守備側がボールを自陣のインゴールの外に出した場合 または自陣のインゴールに持ち込みグラウンディングした場合
➡キャリー・バック Carried Back
5mライン上で攻撃側のボールのスクラムで再開します。
2021~試験的導入ルール
ラグビーは、安全で面白くするために、進化しています。
ルール改正もその一つ、2021年から試験的に導入された新しいルールを紹介します。
・ゴール・ライン・ドロッブ・アウト
イン・ゴールに持ち込まれたボールを攻めている側がグラウンディングしたらトライですが、守っている側がグラウンディングした場合は、インゴールに持ち込んだのが、攻めている側はドロップ・アウトで、22mラインから守り側のボールで再開、攻めている側が持ち込んだ場合は、キャリー・バックで攻め側のボールで5m地点からのスクラムでしたが、昨今TMO(Television Match Official:ビデオ判定)でトライか否かの判定がTMO判定になることが多く、インゴールに入ったけども守りにグラウンディングを阻まれた場合のドロップ・ゴールは、ゴール・ラインからとなります。
・50・20(フィフティ・ツウェンティ)
(スノボやスケボの技の名前のようですが)自陣から蹴ったボールがグラウンド内でバウンドして相手陣22mを超えた場合は、蹴った側のライン・アウトで再開されます。
キックの上手さが活かされるので良いルール改正だと個人的に思います。
試験的ルールなので、様子を見て、本採用になるのか無かったことになります。来年の2月から始まる6 Nationsまで継続、若しくは結果が出るのではないでしょうか。
アドバンテージ
ラグビーを面白く演出してくれるのが、アドバンテージ Advantage。有利と言う意味です。
反則があっても、反則された側に有利になっていたら・または有利になりそうだったら、ゲームを中断しないで流します。有利とはボールの獲得、陣地が有利になることです。
そのまま有利な状態が続けば、アドバンテージは解消され(アドバンテージ・オーバー)ます。アドバンテージで攻撃していた側がミスしたり、ボールを失ったりすると、最初の反則にさかのぼります。
レフリーの裁量で、楽しいゲーム展開になることもあります。
年齢別のルール
グラウンドの大きさ
小学生高学年(5,6年生)
:60x40m、インゴール5m以内
小学生中学年(3,4年生)
:60x35m、インゴール5m以内
小学生低学年(1.2年生)
:20x14m、インゴール2m
プレーヤーの人数
中学生:12人
(FW5人+BK7人)
小学生高学年:9人
(FW3人+BK6人)
小学生中学年:7人
(FW3人+BK4人)
小学生低学年:5人
(FW1人+BK4人)
試合時間
高校生:30分前後半
中学生:20分前後半
小学生高学年:20分前後半
小学生中学年:15分前後半
小学生低学年:7分前後半
一時退場シン・ビンの時間
中学生:5分
その他特別なルール
高校生以下はヘッド・キャップの着用が義務付けされています。
高校生のスクラムは1.5m以上押してはいけません。
×フリー・キック
スクラムの人数を合わせます。
中学生以下はスクラムの押し合いは無しです。
小学生中学年以下はライン・アウトの取り合いも無しです。
小学生以下はトライの後のキック・オフはトライした側がキックします。実力の差があってもキック・オフから攻められるようにとのことだと理解しています。
実は毎年ルールが改正されるのもラグビーの特徴。より安全に、より楽しく進化しています。詳しいルールはラグビー協会のHPから無料でダウン・ロード出来ます。こちらから。
英語版もあります。English rule is here.
ビデオ解説はこちらから。
英国のイングランド Englandで生まれたラグビー、英語の名前が多くてとっつきにくいのかもしれませんが、こんなにも楽しく熱中出来るスポーツはなかなかありません。一緒に応援しましょう。