昔のラグビーは服装からして武骨で男らしいイメージが漂っていました。何と言っても、紳士のスポーツですから。ドロドロと紳士は結び付かなかったのですが。
👕ジャージの洗濯
高校生の最初にジャージ、短パン、ストッキング、スパイクを買って、普段はTシャツを来て練習していたので、毎日の洗濯はTシャツ、短パン、ストッキングです。と言うことは短パンとストッキングは二組以上持っていたことになります。
ストッキングは野球みたいに普段履く靴下の上に履いて足の裏にひっかけるタイプも先輩は使用していました。確か中学校は白い靴下と言う校則がありましたが、高校は無かったので、泥が目立たない様に濃い色の靴下でも良かったのです。
ジャージはフォワードとバックスが分かれてからのスクラム練習、タックル練習の時に着用するので、一週間は泥を落として部室に干しておきました。
雨降りでジャージを着て練習した後は大変です。ドロドロになるので、練習が終わると水道で水洗いをします。綿の長袖のジャージは水を含むと重くなり、絞るのが大変です。友達に片側を持って貰って二人がかりで絞ったり、水道の蛇口にひっかけて絞ります。泥を水洗いで洗い流してから、袋に入れて持って帰ります。家に帰って洗濯をして貰いますが、ドロドロのジャージや短パンは一度風呂に入りながら、水(お湯)洗いをしないと洗濯機には入れて貰えません。
翌日までに乾かすことは出来ないので、学校には袋に入れて持って行き、朝、部室に寄って干していました。ちゃんと持って帰って洗わない奴や汗かきの奴は、ジャージがいつも半乾きでスクラムは雑巾の様な匂いがしました。今思うと、結構皆さん、まめにジャージを干しに部室に来ていました。天気の良い晴れた日には、ジャージのかかったハンガーを外にかけたりしていました。
📛記名
ジャージは各学年お揃いなので、名前を書きます。私達の代はエンジでした。名前は新入部員なので先輩が名前を憶え易い様に胸に大きく書くことになっています。ジャージに直接書いてしまうと消えないし、エンジに黒マジックだと目立たないと言うことで私達の代は白い布に名前を書き胸に縫い付けることにしました。
皆、左胸に大きな字で名前を書いていました。ところが目立ちたがり屋なのか、とぼけているのか、フッカーのI君は、両胸にかけた大きな布で〇〇と名前を書いてきて、直ぐに名前を憶えて貰いました。
👔短パン
二年生になって新しくジャージを買いました。ラグビー用品を売っているお店は近くには無く、新宿のセプターか代々木のスズキスポーツに行くしかありませんでした。近所のスポーツ屋にはかろうじて、スパイクのポイント(スタッド)だけが売っていました。それも特定のスポーツ店で、自転車で探し回って、やっと見つけたスポーツ店です。
買いに行く時はだいたい皆で一緒に行きます。先輩達が履いていたロンパン(ロング・短パン)が欲しくて短パンとジャージ、ストッキングを買いました。確か新宿のセプターです。ジャージは一年生では無いので、好きな色を選べます。グレーに黒襟のものを選びました。
ロンパンはこの数年後に流行るベルト・レスと反対のベルト・タイプです。型の名前は知りません。それまでは普通の短パンで腰部分がにゴムが入っていて、内側で紐を締めるタイプでした。ロンパンは内側に紐が無く、ベルトの様に短パンの外側で布製のベルトを締めて結びます。ベルトを通すベルト・ループもあります。ベルトの色が色々とあり、先輩とかぶらないで、自分のオリジナルな色を探しました。なので、早く買った者勝ちで、好きな色を選べます。
青や紺、緑、赤、や柄物がありました。私は黒を選びました。高校生の時は格好良いつもりで履いていましたが、社会人になってからは、そんな短パンを履いている人は誰もいなくて、恥ずかしくて履けませんでした。かつて紳士のスポーツだったラグビーは短パンが下がって落ちてこない様にとネクタイを腰に巻いて短パンが落ちない様にしていたらしく、その名残の様です。今では探しても、売っていないので貴重な短パンです。
酔っ払ってネクタイを頭に巻いている人は見かけたことがありますが、短パンに巻いている人はみたことありません。