🔥闘争心
ラグビーをプレーするのに最も大事なもの。相手の突進を止めるために身体を張ってタックルする時に正直、恐怖心がありますが、勇気を振り絞って前に一歩出て、向かってくる相手にぶち当たります。ボールを持って前に出る時にもタックルしてくる相手に負けない様に勇気を持って一歩前に出てぶち当たります。
きっかけはどうあれ、高校二年生の練習試合で、そう思いました。私立のS一工高との練習試合は平日の放課後に相手の学校のグラウンドで行われました。自陣ゴール前に攻め込まれての相手スクラムから右オープンに展開、左フランカーの私はNo. 8のサイド攻撃をケアした後に、スクラムからボールがスタンド・オフに渡ったので内側からディフェンスに行きます。相手スタンド・オフが縦に突っ込んできました。私は姿勢が少し高かったので、相手スタンド・オフのボールを抱えての当たりで肘を顔面で受けてしまいましたが抱え込むようにタックルをしました。
ボールは継続出来ずにラックとなり、ホイッスルが鳴ります。鼻血が噴き出て来ます。インゴールに下がって治療を受けます。応援に来てくれていたOBがやかんを持って来てくれました。顔を洗って、チリ紙を鼻に詰めて試合に復帰します。
顔面をヒットすると、気持ちが高揚するものです。肘を突き出してぶち当たってきたスタンド・オフに対しての闘争心が沸き、恐怖心が無くなり、タックルをしまくったと記憶しています。味方にも絶対止めるぞなんてことを大声で叫んでいた気がします。何故か相手の⑥番にも火をつけたみたいで、彼も吠えながら突進して来ましたが、負けずにタックルで止めました。
それまで30~40点差を付けられて負けていた相手に互角の勝負が出来ました。後から聞いたら相手のうるさい⑥番のS君は、私達の③K君と⑧I君と同じ中学校の友達だった様です。
〇後輩が出来ると
自覚も出ますが、後輩に指導するのに、自分も改めてルールやプレーを知ることが出来ます。知らない人に教えると言うことは、内容を理解しないと教えられないので、自分なりに内容を整理しながら教えることがあった気がします。人間は言葉に出すよりも三倍の速度で頭で考えているそうです。会話をしながら脳みその中で、速い速度で考えている訳です。何でスクラムのボールはNo. 8の足元から出すんですか?、相手ディフェンスから一番遠い場所からボールを出すことで、ディフェンスのプレッシャーを少なくする様なことを話しをしていたら、⑥がサイド攻撃をしたらと言う必殺技が出来ました。考案者の後輩フランカーが青梅出身だったので、サイン名は青梅。
スクラムのマイ・ボールはスクラムの左側からスクラム・ハーフがボール・インします。地面にバウンドさせたボールを最前列フロント・ローの中央にいるフッカーが右足でフッキングします。するとボールは左プロップ①の足の間を通り④左ロックと⑥左フランカーの間に転がって来るので、⑥左フランカーが足でスクラムの内側にボールを入れて、No. 8の足元に転がして行きます。
スクラムが勝っていて余裕があると、こんな風にスクラムの中でボールをコントロールしていますが、スクラムでプレッシャーを受けていると、こんな余裕はありません。ボール・インと同時に相手が押し込んで来ますので、フッカーがフッキングしたボールは①左プロップの足の間を通り、④左ロックと⑥左フランカーの間を転がり抜けて行きます。ボールを入れた⑨SHスクラム・ハーフが、素早くボールを拾いながら、バックスへダイビング・パスをする。と言う感じです。
青梅と言うサインは、⑨SHスクラム・ハーフで無く、⑥左フランカーが拾ってサイド攻撃したらと言う発想から生まれました。