ラグビーのポジションは攻めている方向から前をフォワード、後ろをバックスと言います。ポジションの呼び方が色々とあり、英国のラグビーと言う街で生まれたスポーツなので英語です。高校でラグビーを始めた頃は、ポジションを覚えるのも一苦労でしたが、判ってくると、ラグビーがもっと楽しく感じられます。
伝統校ではラグビーのことをラ式蹴球と呼んでいて、ラグビー蹴球部と呼んでいます。ラグビーは古い人もラグビーと言いますが、アメリカン・フットボールのことをアメ・ラグとも言っていました。アメリカ式ラグビーだと地名が二つ連なってしまうので、少しおかしな感じもしますが、日本に入ってきた順番からすると、アメリカ式ラグビーで通じるのでしょう。
最初のミーティングでスリー・クォーター・バックスをやりたいですと言った同じ一年生のY君はラグビーのことを良く知っていました。同期では最初にラグビー部に入り、念願のセンター・スリー・クォーター・バックスをやりましたが、一年生の途中で辞めてしまい残念でした。
私の高校生の時は、プロップ、ロック、フランカー、センター、ウイングは右と左でポジションが固定されて、右サイド、左サイドと役割が分担されていましたが、次第にラグビーが発展して行くに従って役割が明確になり、専門的になって来ました。
プロップ、ロック、ウイングは今でも右と左で分かれているチームが多いです。セット・プレーの時は、常にオープンにいるウイングもたまに見かけたりします。よっぽど足に自信があるのでしょう。
目次
🏉ポジション
↑攻撃する方向
Forwardフォワード
∟Front Rowフロント・ロー
∟Propプロップ
∟Hookerフッカー
∟Second Rowセカンド・ロー
∟Lockロック
∟Back Row, Third Rowバック・ロー、サード・ロー
∟Flankerフランカー
∟No. 8ナンバー・エイト
Backsバックス
∟Half Backsハーフ・バック
∟Scrum Halfスクラム・ハーフ
∟Stand Offスタンド・オフ
∟Three quarter Backsスリー・クォーター・バックス
∟Centerセンター
∟Wingウイング
∟Full Backフル・バック
①③プロップ
縁の下の力持ち、気は優しくて力持ち
プロップは専門職なので、右と左では全然違うと聞きます。左プロップの①番はスクラムを組む時に左側が空いているので、Loose Head Propルーズ・ヘッド・プロップ、右プロップの③番は、頭が相手の①番と②番に挟まれているので、Tight Head Propタイト・ヘッド・プロップと呼ばれます。
Propプロップとは柱、支柱のことで、スクラムを支えます。③番側にスクラムの全体重がかかると言われていて、支えるだけの体力、忍耐力と精神力が必要です。①番は対面の相手③番にスクラムで組み勝つ為に、首の取り合いをして良い姿勢を取らせない様に仕掛けることが多いです。
②フッカー
器用な〇〇、身の軽い〇〇
Hookerフッカーはスクラムの最前線でスクラムをコントロールして、スクラム・ハーフから投入されたボールを足で後ろにかき出します。フックの様に足を出すことから、フッカーと呼ばれています。①番と③番のプロップを上手に操って、スクラムを優位に組みます。
スクラムを組んだ感触で、相手との優劣により、体重のかけ方を調整して、一対一で勝っているのならば真っすぐに押し込み、①番が勝っている様であれば、やや左側に押し込み、③番が勝っている場合は、右側に押し込む様にします。
両側が負けている場合は、素早くボールを後ろに送る様にして、その間だけでも押されない様なスクラムを組む様にします。見かけによらず器用なプレーヤーが多く、ライン・アウトのスローワーをするプレーヤーが多いです。
④⑤ロック
フォワードのエンジン、押し込むのはロックの仕事
ロックの右と左こそ同じ様な気がしますが、ロックに聞くと、違うそうです。左ロック④番はスクラムで左プロップ①番の後ろに付くので、スクラムを押しに行きます。右ロック⑤番は右プロップ③番の後ろに付くので、スクラムが押されない様に耐えるのだそうです。相手との力の優劣によって、どちらも押しに行ったり、押されない様にしたりすることもあります。
他のポジションは全て出来るけど、⑤番だけは出来ないと④番の人が言っていた位に専門職の様です。Lockロックは錠をかける意味で、スクラムを押されない様に錠をかけます。身体が大きくて強い人がプレーするポジションです。身体が大きいので、空中戦のライン・アウトのジャンパー、キック・オフのキャッチをすることが多いです。
Forwardフォワードの三列目をBack rowバック・ロー、Third rowサード・ローと呼びます。バックス・ラインでアタックして相手に止められた接点に一早く行ってボールを確保、ディフェンスではボールの奪取を行います。
⑥⑦フランカー
身体を張ってボールを争奪、勇気あるタックルがチームの活力
Flankerフランカーの意味は脇です。スクラムの側に付いて、バックスとの懸け橋となります。アタック、ディフェンスで相手との接点に真っ先に駆け付けてボールの争奪をします。タックルとボールの争奪が要求されます。
オープン・サイド・フランカーとブラインド・サイド・フランカーで分かれているチームが多いです。
オープン・サイド・フランカーはバックス・ラインのオープン側にいて、バックスからボールを貰ったり、相手ディフェンスに捕まったバックスのプレーヤーのボールを確保するのが役割で、アタック攻めをすることが多く、反対にブラインド・サイド・フランカーは、バックス・ラインのブラインド側からサポートして行くので、相手との接点に行くのが少し遅れるので、二の矢、三の矢として密集に入ったりすることが多く、相手ボールのスクラムからのサイド攻撃をタックルして止める役割もあり、ディフェンス・タックルの強いプレーヤーが多いです。
⑧ナンバー・エイト
フォワードのまとめ役
No. 8ナンバー・エイトはフォワードの最後尾でフォワードをまとめる役割があります。スクラムのサイド攻撃などアタックの起点になることが多くボールを持っての突進が強いプレーヤーが多いです。
⑨スクラム・ハーフ
小柄で俊敏性、大きな声でフォワードを操る
Scrum Halfスクラム・ハーフは、スクラムにボールを投入する役割でForwardフォワードとBacksバックスの真ん中のポジションです。地面にあるボールを拾ってパスすることが多いので、背の低いプレーヤーが多いです。速くて取り易いパスをすることが大事です。フォワードに近い場所でプレーすることが多いので、大きな身体のフォワードのプレーヤーとの接触も多いです。
⑩スタンド・オフ
チームの司令塔
Stand Offスタンド・オフは、Scrumスクラムから少し離れた所に立っていると言う意味です。セット・プレー(スクラム、ライン・アウト)でフォワードが確保したボールを最初に触るので司令塔の役割が求められます。キックして陣地を取るのか、バックスにボールを回して攻めるのか、スキがあったら自分でボールを持って仕掛けることもあります。
日本では、スタンド・オフの名前で定着していますが、海外ではFly Halfフライ・ハーフが一般的です。キックするHB(Half Backs)ハーフ団です。
ラグビー世界一のニュージーランドでは、1st. Five (Eighth)ファースト・ファイブ(・エイト)と呼びます。5/8の一番目と言う意味です。因みにIn Side CTBイン・サイド・センターのことは、2nd. Five (Eighth)セカンド・ファイブ(・エイト)と呼びます。5/8の二番目です。
フロント・ロー
セカンド・ロー
バック・ロー
スクラム・ハーフ
ファイブ・エイト
センター
ウイング
フル・バック
WingウイングとCenterセンターのことをThree quarter Backsと言います。3/4の位置にいるバックスです。ウイングはWing Three quarter BacksでWTB、センターはCenter Three quarter BacksでCTBと表現することもあります。
⑫⑬センター
パスの名手、ハード・タックラー
Centerセンターは中央でバックス・ラインの要でパスが上手で、当たりの強いプレーヤーです。ディフェンスのタックル、アタックではタックルに負けない当たりが期待されます。
センターは、イン・サイド、アウト・サイドに分かれてポジショニングをすることが多いです。イン・サイド・センターは、第二のスタンド・オフ的な役割りもこなし、起点となることが多いです。スタンド・オフよりも相手ディフェンスからの距離があるのでプレッシャーを受けない状態でバックスのラインをコントロールすることが可能です。
セット・プレーからのキックとパス回しをスタンド・オフに任せて、司令塔をしているチームもあります。かつてV7の七連覇をした神戸製鋼の平尾誠二が、イン・サイド・センターでした。イン・サイド・センターは横に動けるプレーヤーが多く、アウト・サイド・センターは縦に強いプレーヤーが多いです。センターは横に動くのが大事、縦に強いのが良いとか言う話をしていた時に、先輩から、だから二人いるんだよね。と教わったことがあります。
⑪⑭ウイング
チーム一の快速、ボールを持ったらトライまで突っ走れ
Wingウイングは一番外側にいて足の速いプレーヤーがやるポジションで語源は翼です。ウイングも右ウイングと左ウイングで違うタイプのプレーヤーがいるチームもあります。スクラムのサイド攻撃はスクラム・ハーフのいない右側を攻めるので、左ウイングはディフェンスの強いプレーヤー、右ウイングはすばしっこいブレーヤーが多いです。
⑮フル・バック
最後の砦、後ろから皆に指示
最後尾は、Full Backフル・バックで、守りの要です。背番号は⑮番。最後尾から相手の陣形を見て守りの指示、攻めの指示をします。抜けて来た相手プレーヤーを一撃必殺のタックルで止めるスキルが求められます。
キック処理も重要で相手のキックしたボールを確実にキャッチして、蹴り返すスキルも必要です。両ウイングと協力して効果的なカウンター・アタックを仕掛けられるとチームの強力な武器となります。エキストラ・マンとして、バックスのラインに参加することも多いです。その場合は、ブラインド・サイドのウイングがフル・バックの位置をバック・アップしてあげます。
球技で最大の15人ものプレーヤーがいるので、色々な体格や特徴に合ったポジションがあり、お互いの頑張りがチームの勝利へとつながる、とても面白いスポーツです。One for ALL, All for One一人はみんなのために、みんなは一人のために、一つのボールを15人全員で協力して大事につないで行くところが、ラグビーの魅力です。