まさかの準決勝でした。

ラグビーのゲームでは20%位が当日の心理状態などで実力がブレると言われています。天候、グラウンド状態や観客の応援 などの影響も勿論あることでしょう。

ゲームに勝つチームは実力以上の力を発揮します。キックしたボールが上手くバウンドしてスッポリと入ったり、ディフェンスの読みがピタリと当たったり、ボールの感触が妙にシックリ来たり、相手が思わぬミスをしてくれたり、何故か良いところにポジショニングしていたりと良いことが不思議なくらい起きたりするものです。

一方、実力を出し切れないチームは、相手のディフェンスのプレッシャーが速くてボールを上手くさばけずにパス・ミス、ハンドリング・エラーが多かったり、不用意にキックをしてしまったり、キックの精度が悪かったり、ディフェンスに行くものの仲間と重なってしまったり、予想が外れて反対ばかり攻められたり、と悪く思うから負の連鎖で悪いことが続けて起きてしまいます。時間と言うプレッシャーもかかり、慌てることで尚一層、自分たちのプレーを見失ってしまいます。そして、負けたチームは実力を出し切れなかったと言います。

番狂わせ

番狂わせとは、大方の予想通りの勝敗が外れた時に使う言葉で、語源は順番が狂うことから来ています。

upset, giant kill

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スポーツ史上最大の番狂わせ

2015年イングランドでの第八回ラグビー・ワールドカップのプールの初戦、日本代表が当時の世界三位、優勝候補、歴代最多勝率の南アフリカにブライトンと言う南のリゾート地で勝利した試合。

体格に勝る南アフリカは力でねじ伏せようと得意のフォワードのゴリゴリとした戦法を中心に攻め込んで来ます。南アフリカの突進に対して二人がかりのタックルで必死に止める日本。

攻めては素早い球捌きでボールを動かし相手を走り回らせて疲れさせる戦法、竹やりで大砲に立ち向かうが如く、ドカンとトライをしても五郎丸の正確なペナルティ・ゴールで点差も離されないように我慢の闘い。後半疲れさせる作戦が効果を出し、疲れて足に来ている南アフリカをこの日のためにハード・ワークを積んで来た日本がついに走力で上回る。前半40分、後半40分の80分間の全ての時間を使い切って奇跡を起こしました。選手曰く偶然では無く必然の勝利と言ったが、想像は出来ませんでした。➜ブライトンの奇跡

準決勝、semi final

日付 KO 場所 対戦 対戦 プール 結果
10月26日 17:00 横浜 イングランド C1位 ニュージーランド B1位 準決勝1  
10月27日 18:00 横浜 ウェールズ D1位 南アフリカ B2位 準決勝2  
11月1日 18:00 東京 準決勝1敗者 準決勝2敗者 3位決定戦  
11月2日 18:00 横浜 準決勝1勝者 準決勝2勝者 決勝  

準決勝第一試合

ニュージーランド

毎回、優勝候補筆頭として挙げられているニュージーランド・オールブラックス。負ければ、それが番狂わせとなります。負ければニュースとなる、いつも勝っているチームです。

イングランド

準決勝の相手はラグビーの母国イングランドとの対戦です。前回、開催国でプール戦敗退と言う屈辱から母国のプライドを捨てて初の外国人ヘッド・コーチを招き入れました。日本を世界一のハード・ワークで暗黒の時代から抜け出す24年振りのワールド・カップ勝利に導いたオーストラリア人のエディ・ジョーンズ Eddie Jonesです。イングランドの特徴である強いフォワードを前面に出し、キックで陣地を取る闘い方に、バックスの展開力が加わりました。

ゲーム展開

策士のエディ・ジョーンズは強いニュージーランドの弱点をつきます。本職では無いフランカー、若くて突破力の無いスリー・クォーター・バックス。しっかりとディフェンス・ラインが前に出て確実にタックルで止める、ブレーク・ダウンでサポートの薄いブラインド・サイド・フランカーの順番の時にジャッカルを狙いに行く。経験の浅い外側のプレーヤーにとってタッチ・ラインは敵となります。横に押し出すディフェンスをされると行き場を失い外に逃げるか慌ててキックするしか無くなります。経験によって内側のサポートを待てるようになり、ボールがキープ出来るようになるのです。

世界一攻撃力のあるニュージーランド・オールブラックスにほとんど効果的な攻めをさせませんでした。与えた得点はイングランドのゴール前のライン・アウトで自分たちのミスによるスローイング・ミスのこぼれ球を拾われてのトライのみ。相手を研究しつくしたディフェンスの勝利でした。

世界の終わり。とニュージーランド国民の期待に応えられなかったオールブラックス。ラグビー王国を落胆させました。

準決勝第二試合

南北チャンピオンの対戦となった第二試合は、シックス・ネーションズのグラウンド・スラム・チャンピオンのウェールズ対チャンピオン・シップで負けなしでチャンピオンとなった南アフリカ・スプリングボクス。

ウェールズ

シックス・ネーションズで前年優勝のアイルランド、一昨年優勝のイングランドに勝ちグラウンド・スラム・チャンピオンのウェールズ

南アフリカ

チャンピオン・シップで負けなしでチャンピオンとなった

ゲーム展開

前日・第一試合の興奮が強く、オールブラックス敗戦を引きづったままの観戦です。古豪ウェールズの復活・初の決勝進出を期待しました。ツキのあるウェールズは堅実なディフェンスで南アフリカのミスを誘います。決定的なピンチがありましたが運が味方しているようです。しかし先制点を取った南アフリカが先手となり、どうしても後手になってしまう展開。日本戦で前に出る圧倒的な力が後半もバテなかった南アフリカが走り勝つんじゃないかと予想しましたが、見事に外れ、決して世界一ハード・ワークをした訳では無いウェールズがバテません。勝てるチャンスはありましたが、仕留められずに、先手のスプリングボクスに逃げ切られました。

決勝戦への期待

期しくも、北と南の対戦となる決勝戦。共にディフェンスの力で準決勝を勝ち上がりました。ディフェンス勝負になることが予想されますが、面白いラグビーを期待します。

日付 KO 場所 対戦 対戦 プール 結果
10月26日 17:00 横浜 イングランド C1位 ニュージーランド B1位 準決勝1  19-7
10月27日 18:00 横浜 ウェールズ D1位 南アフリカ B2位 準決勝2  16-19
11月1日 18:00 東京 ニュージーランド

準決勝1敗者

ウェールズ

準決勝2敗者

3位決定戦  
11月2日 18:00 横浜 イングランド

準決勝1勝者

南アフリカ

準決勝2勝者

決勝  

All Blacks

ニュージーランド・オールブラックスは常に勝つことが求められます。更に勝つだけではなく、観ていて面白いラグビーを求められます。
過去、何度もその期待に応えて来たオールブラックス。ディフェンスが強くなると、それを打ち破る戦法を身に着けて来ました。
実は1987年の第一回ワールド・カップで優勝してから24年間、優勝から遠ざかっていました。2011年の自国開催、第七回ワールド・カップで優勝するまでを暗黒の24年間と言われています。日本代表の勝ちが無い24年間とレベルが違います。

過去の大会成績

第一回 1997 優勝
第二回 1991 3位
第三回 1995 準優勝
第四回 1999 4位
第五回 2003 3位
第六回 2007 ベスト8
第七回 2011 優勝
第八回 2015 優勝

スクラム重視だったフォワードを走れるようにし、力だけでは無く高さを活かしたロックを起用し、大型WTBの突破力を活かし、バック・スリーのスピード力を上げ、と基本プレー + 特徴を試行錯誤した24年間でした。
まだまだ進化をし続けるラグビー。その筆頭でもあるニュージーランド・オールブラックス。だから人気があるのです。
そのニュージーランドを破ったイングランドを率いたエディ・ジョーンズの1/4位は日本人の血が混ざっているのが誇らしいです。

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