ラグビーにごまかしは効きません。身体が大きかろうが、筋肉隆々であろうが、怖そうな顔をしていようが、大きい声を張り上げようが、化けの皮は直ぐにはがれてしまいます。
気持ちのこもったタックル、身体を張ったボール確保、息も出来ない身動きが取れないスクラムでの忍耐、皆が走れない時に戻ってのボール・キャッチ、恐怖を乗り越えて、勇気が無いと出来ない、プレーは嘘をつきません。
ラグビーの強豪国のニュージーランドでは、仲間のために黙々と身体を張り続けるロックが男らしくて子供達に人気のポジションらしいです。
華やかなバックスや司令塔のスタンド・オフ(海外ではフライ・ハーフ、ニュージーランドでは、ファースト・ファイブ(エイト)よりも人気があるのが、強豪国たる由縁なのかも知れません。
試合の時だけ頑張っても、出来るものではありません。練習の時から、辛くて苦しい想いをして身に付けた強い身体と体力は、自信にもつながります。
先生が見ていないから、手を抜いちゃえ。なんてことも、高校の先輩からランパスの時に教わりました。
先生に向かって走る時には、全力を出します。そんなことをしていたら、自分のためにはなりませんよね。
練習で苦しくても走るのは、体力を付けて、試合で走れる様になるため。相手より走らないと、ボールを継続出来なくなっちゃいます。
反動を使って重い重量を挙げても、筋肉を鍛えたことにはなりません。鍛える部位に意識も集中して筋肉を鍛えます。ウェイト・リフティングの選手では無いので、重さを追求するだけではありません。
相手に当たり負けない強い身体を造るため、ボールの争奪で力負けしない身体を造るため、スクラムやモールでボールを確保するためにウェイト・トレーニングで身体を鍛えます。
人間には、二種類の人間しかいません。仲間のピンチに身体を張って、タックルが出来る人と出来ない人。
仲間のために、身体を張ってタックルが出来る人になりたい。と想っています。タックルをするスキルも大事ですが、身体を張れる気持ちが何よりも大切です。
私自身もタックルが出来る人になりたいし、私の子供にも、タックルが出来る人になって欲しい人です。
人生には、そんな場面が、必ずあります。正面から逆境を受け止めて、身体を張って、タックルを決めたいものです。
相手に気持ちが負けていると、追い付きそうなのに、飛び込んでも指先が僅かに届かなかったり、触れたんだけど、振り切られてしまうことがあります。
若しくは、タックルに行ったふりをするとか。
本来、ボールを持っていない方が速く走れる訳で、追い付かないはずは無いのですが、逃げる気持ちが足を速くさせるのか、止めるんだと言う強い気持ちを持って下さい。
身体を張ったプレーと言うのは、タックルで無くても、仲間に勇気を与えるものです。あいつが頑張っているんだからと、勇気とやる気を奮い立たせてくれます。
いつの日だったか、正直に生きようと想う様になりました。
ラグビーにのめり込むと、正直な気持ちになり、練習は嘘を付かない。と言うことが身に染みます。
高校一年生でラグビーを始めたのが、昭和58年(1983年)。テレビ・ドラマのスクール・ウォーズは昭和59年(1984年)に始まり、振り返ってみると、高三の最後の大会に負けてから放映が始まっています。
当時は、大げさなドラマだと、面白おかしく冷やかしながら観ていましたが、大人になってからの再放送では、涙無くしては観られません。正直な気持ちは、スクール・ウォーズからの影響もあったのでしょう。⇨信は力なりの記事へ。
高校のラグビー部の顧問の先生の影響もあったと想います。熱烈ラガーマンでラグビーが大好きです。本気で叱ってくれました。当時はキツイ練習をするので、嫌々でしたが、卒業したらビールを飲む間柄になっていました。
一方で、試合になると、騙し合いも必要となります。相手の裏をかく、相手の出方の反対を攻めると効果的で、状況判断も必要となります。⇨後出しジャンケンの記事へ
でも嘘を付いている訳ではありません。相手の出方を良く見て、仲間の得意の攻撃を仕掛けるのは、むしろ正直な練習の積み重ねです。
ライン・アウトのボールを取るのも、相手の裏をかくと有効です。色々なバリエーションを用意しておいて、状況・場面によって一番良い方法を選択します。
展開すると思っている相手はモールで押し込み易いし、モールを警戒して寄って来た相手に対しては、展開することが有効です。
正面からの押し合いが互角だったら、相手の押す力を利用して、風車の理論の如く、少しズラして力を一点に集中すると前に進むことが出来ます。
どんどん進化して行くラグビーですが、仲間のために、身体を張る気持ちは、とっても大切です。