4年ごとのワールドカップは、次回オーストラリアで2027年に行われます。
ラグビーの人気拡大のため(だと思います)、出場国が24ヵ国になります。
(前回大会までは、20ヵ国) +4ヵ国は、ヨーロッパ、パシフィック、アジア、南米+パシフィックです。
出場国は、前回(2023年フランス)大会の上位12ヵ国(A~Dプールの各3位まで)と世界中から予選を勝ち抜いた12ヵ国です。
目次
期間
2027年10月1日(金)~11月13日(土)
前回成績
パリ・オリンピックではたくさんの感動がありました。残念ながらラグビー(7人制)は、あまりメディアに取り沙汰されることもなく淡々と終了してしまいましたが、男子は競合相手に奮闘、女子は史上最高成績とラグビー史上初となる選手とレフリーでのオリンピック出場を達成など巷では話題になっています。僅か1年前には、あの地で華やかなラグビーの祭典が行われていたのが、まるで夢のようです。ラグビーがメジャーだったあの頃を振り返ってみましょう。
第十回ラグビー・ワールドカップ2023フランス大会
プールA
A | フランス | ニュージーランド | イタリア | ウルグアイ | ナミビア | 勝点 | 順位 |
フランス | 〇27-13 | 〇60-7 | 〇27-12 | 〇96-0 | 18 | 1 | |
ニュージーランド | ●13-27 | 〇96-17 | 〇73-0 | 〇71-3 | 15 | 2 | |
イタリア | ●7-60 | ●17-96 | 〇38-17 | 〇52-8 | 10 | 3 | |
ウルグアイ | ●12-27 | ●0-73 | ●17-38 | 〇36-26 | 5 | 4 | |
ナミビア | ●0-96 | ●3-71 | ●8-52 | ●26-36 | 0 | 5 |
開幕戦は、幾度となくワールドカップの舞台でも名勝負を演じて来た開催国で悲願の初優勝を目指すフランスと史上初の4度目の優勝を目指すニュージーランド。勝った方が優勝に近づくので、お互いにベストの状態で挑み見どころが一杯でした。ワールドカップと言う晴れ舞台でのホームの応援は、プレッシャーにもなりますが、とてつもなく選手に力を与えてくれるようです。プール戦では初の負けを喫したニュージーランドですが、前回優勝の南アフリカの例があるように調子を上げて行くことでしょう。
プールB
B | アイルランド | 南アフリカ | スコットランド | トンガ | ルーマニア | 勝点 | 順位 |
アイルランド | 〇13-8 | 〇36-14 | 〇59-16 | 〇82-8 | 19 | 1 | |
南アフリカ | ●8-13 | 〇18-3 | 〇49-18 | 〇76-0 | 15 | 2 | |
スコットランド | ●14-36 | ●3-18 | 〇45-17 | 〇84-0 | 10 | 3 | |
トンガ | ●16-59 | ●18-49 | ●17-45 | 〇45-24 | 5 | 4 | |
ルーマニア | ●8-82 | ●0-76 | ●0-84 | ●24-45 | 0 | 5 |
円熟した強さのアイルランドと前回王者の南アフリカはお互いに身体の強さを活かしたフィジカル・バトルが得意なだけに、予想通りの激しい肉弾戦となりました。この2強に割って入りたい前回大会でも日本代表との死闘の末に決勝トーナメントを逃したスコットランドが挑みますが、こちらも2強の牙城は硬かったです。前回大会同様にプール戦で1敗を喫した南アフリカですが、調子は上がってくるのでしょう
プールC
C | ウェールズ | フィジー | オーストラリア | ポルトガル | ジョージア | 勝点 | 順位 |
ウェールズ | 〇32-26 | 〇40-6 | 〇28-8 | 〇43-19 | 19 | 1 | |
フィジー | ●26-32 | 〇22-15 | ●23-24 | 〇17-12 | 11 | 2 | |
オーストラリア | ●6-40 | ●15-22 | 〇34-14 | 〇35-15 | 11 | 3 | |
ポルトガル | ●8-28 | 〇24-23 | ●14-34 | △18-18 | 6 | 4 | |
ジョージア | ●19-43 | ●12-17 | ●15-35 | △18-18 | 3 | 5 |
日本代表の元ヘッド・コーチのエディ・ジョーンズがイングランドを大会半年前に電撃解任され、母国オーストラリアを率いました。次回の地元開催に向けて若手育成に舵を切った感があります。強さが安定して来たウェールズ、スーパー・ラグビーで鍛えられ、自信を取り戻してきたフィジーに及ばずに初のプール戦敗退となりました。
プールD
D | イングランド | アルゼンチン | 日本 | サモア | チリ | 勝点 | 順位 |
イングランド | 〇27-10 | 〇34-12 | 〇18-17 | 〇71-0 | 18 | 1 | |
アルゼンチン | ●10-27 | 〇39-27 | 〇19-10 | 〇59-5 | 14 | 2 | |
日本 | ●12-34 | ●27-39 | 〇28-22 | 〇42-12 | 9 | 3 | |
サモア | ●17-18 | ●10-19 | ●22-28 | 〇43-10 | 7 | 4 | |
チリ | ●0-71 | ●10-45 | ●12-47 | ●5-59 | 0 | 5 |
抽選時点では、世界ランク8位以内だった日本ですが、前回準優勝のイングランド、南半球のチャンピオンシップで強豪に揉まれた実力を発揮したアルゼンチンに接戦に持ち込めずに完敗。地の利で躍進した前回大会のファンの応援のありがたさを改めて思い知ることになりました。
プール戦の結果、次回大会の出場権(いわゆるシード権)を獲得したのは12ヵ国です。
チーム | チーム名 | RWC2023成績 |
1 | 南アフリカ | 優勝 |
2 | ニュージーランド | 準優勝 |
3 | イングランド | 3位 |
4 | アルゼンチン | 4位 |
5 | フランス | ベスト8 |
6 | アイルランド | ベスト8 |
7 | ウェールズ | ベスト8 |
8 | フィジー | ベスト8 |
9 | イタリア | プールA 3位 |
10 | スコットランド | プールB 3位 |
11 | オーストラリア | プールC 3位 |
12 | 日本 | プールD 3位 |
プール戦で1敗を喫した、ニュージーランドと南アフリカの決勝戦。個人的には、TMOの強すぎる権限に不信を感じました。見どころはたくさんありましたが、判定が試合を壊して良い訳はありません。日本と同じプールのイングランドとアイルランドが共にベスト4に進出すると言う誇らしい結果でもありました。
▷日本代表の結果はこちら
▷ベスト4の結果はこちら
▷決勝の結果はこちら
予選
第十一回ラグビー・ワールドカップ2027オーストラリア大会の出場国は、24ヵ国。既に12ヵ国は出場権を得ているので、残りの12ヵ国は、世界中で予選を行い、選ばれます。
地域 | チーム | 前回大会成績/予選方式 |
アフリカ | 南アフリカ | 優勝 |
アフリカ1 | アフリカ・カップ2025 | |
アジア | 日本 | プールD 3位 |
アジア1 | アジア・チャンピオンシップ2025 | |
ヨーロッパ | イングランド | 3位 |
フランス | ベスト8 | |
アイルランド | ベスト8 | |
ウェールズ | ベスト8 | |
イタリア | プールA 3位 | |
スコットランド | プールB 3位 | |
ヨーロッパ1 | 欧州チャンピオンシップ2025 | |
ヨーロッパ2 | 欧州チャンピオンシップ2025 | |
ヨーロッパ3 | 欧州チャンピオンシップ2025 | |
ヨーロッパ4 | 欧州チャンピオンシップ2025 | |
オセアニア/パシフィック | ニュージーランド | 準優勝 |
フィジー | ベスト8 | |
オーストラリア | プールC 3位 | |
パシフィック1 | パシフィック・ネーションズ・カップ2025 | |
パシフィック2 | パシフィック・ネーションズ・カップ2025 | |
パシフィック3 | パシフィック・ネーションズ・カップ2025 | |
南アメリカ | アルゼンチン | 4位 |
南アメリカ1 | スダメリカ・ラグビー・チャンピオンシップ2025 | |
南アメリカ/パシフィック | 敗者復活1 | 南米2位 vs パシフィック・ネーションズ・カップ4位 |
最終予選 | 敗者復活2 | 敗者復活1敗者 vs 南米3位 vs 欧州5位 vs (アフリカ2位 vs アジア2位) |
太平洋(オセアニア、パシフィック、アジア)、アフリカ、アメリカ、ヨーロッパの地区予選を得て本大会に進みます。過去の成績・世界ランキングなどを考慮して地区代表の出場枠を決めています。ラグビーの盛んなオセアニア、ヨーロッパは手厚く、まだまだ発展途上の地区は遠い道のりとなります。今回、注目されるのは、アジア枠が追加されたことです(過去は、日本が既に出場枠を持っている場合は、オセアニア3に勝たないと道が開けませんでした)。そのため、アジアから日本以外では初めてワールドカップに出場出来るのです。
パシフィック(3)
決定方法
2024年から始まったパシフィック・ネーションズ・カップ(日本、アメリカ、カナダ、フィジー、サモア、トンガの6ヵ国)で、日本とフィジーは本大会出場が既に決まっていますので除いて、残りの4ヵ国で上位3チームが本大会出場となります。2025年大会がワールドカップ予選となります。
直近成績
2024 3ヵ国のプール戦とトーナメント、順位:フィジー、日本、サモア、アメリカ、トンガ、カナダ
2023 4ヵ国の総当たり戦、順位:フィジー、サモア、日本、トンガ
2022 4ヵ国の総当たり戦、順位:サモア、オーストラリアA、フィジー、トンガ
2019 6ヵ国2プールの総当たり戦、順位:日本、フィジー、アメリカ、サモア、トンガ、カナダ
2018 4ヵ国の総当たり戦、順位:フィジー、トンガ、ジョージア、サモア
南米/パシフィック(1)
決定方法
南米2位 vs パシフィック・ネーションズ・カップ4位 で決定します。
オセアニア・チャンピオンシップ
アメリカ領サモア、クック諸島、ナウル、ニューカレドニア、ニウエ、パプアニューギニア、ソロモン諸島、タヒチ、バヌアツ
直近成績
2022 3ヵ国総当たり戦、順位:パプアニューギニア、バヌアツ、ソロモン諸島
2019 4ヵ国総当たり戦、順位:パプアニューギニア、ニウエ、ソロモン諸島、ナウル
2017 2ヵ国対戦、 順位:タヒチ、クック諸島
2015 2ヵ国対戦、 順位:パプアニューギニア、タヒチ、アメリカ領サモア、ソロモン諸島
アジア(1)
決定方法
香港、UAE、韓国、マレーシアによるアジア・チャンピオンシップ2025で決定します。
デビジョン1:インド、カザフスタン、カタール、スリランカ
直近成績
2024 4ヵ国総当たり戦、順位:香港、UAE、韓国、マレーシア
2023 3ヵ国総当たり戦、順位:香港、韓国、マレーシア
2022 3ヵ国総当たり戦、順位:香港、韓国、マレーシア
2019 3ヵ国ホーム&アウェイ総当たり戦、順位:香港、韓国、マレーシア
アフリカ(1)
決定方法
ジバブエ、アルジェリア、ナミビア、ケニヤ、ブルキナファソ、ウガンダ、コートジボワール、セネガルによる、アフリカ・カップ2025で決定します。
ボツワナ、マダガスカル、ザンビア
ガーナ、レソト、モーリシャス、ルワンダ
ナイジェリア、エスワティニ、タンザニア
直近成績
2024 8ヵ国によるトーナメント 順位:ジバブエ、アルジェリア、ナミビア、ケニヤ
2022 11ヵ国が4つに分かれてのプール戦と8ヵ国によるトーナメント 順位:ナミビア、ケニヤ、アルジェリア、ジバブエ
2018 8ヵ国総当たり戦 順位:ナミビア、ケニヤ、ウガンダ、チュニジア
南アメリカ(1)
決定方法
スダメリカ・ラグビー・チャンピオンシップ2025で決定します。中南米地域 アルゼンチン、ブラジル、ボリビア、チリ、コロンビア、コスタリカ、エクアドル、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア、パナマ、パラグアイ、ペルー、ウルグアイ、ベネズエラが参加しています。
直近成績
2018 6ヵ国総当たり戦 順位:ブラジル、アルゼンチン、チリ、ウルグアイ、パラグアイ、コロンビア
ヨーロッパ(4)
決定方法
欧州チャンピオンシップ2025
ジョージア、ベルギー、ドイツ、オランダ、ポルトガル、ルーマニア、スペイン、スイス
六ヵ国対抗戦(6 Nations) に次ぐ国はどこかを争います。
欧州トロフィー
スウェーデン、チェコ、クロアチア、リトアニア
カンファレンス プールA
デンマーク、エストニア、フィンランド、ラトビア、ノルウェー
カンファレンス プールB
オーストリア、ハンガリー、スロベニア、ウクライナ
カンファレンス プールC
ブルガリア、モルドバ、セルビア、トルコ
カンファレンス プールD
アンドラ、キプロス、イスラエル、マルタ
カンファレンス プールE
ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、コソボ、モンテネグロ、スロベア
直近成績
2023 4ヵ国プール戦とトーナメント 順位:ジョージア、ポルトガル、スペイン、ルーマニア、オランダ、ドイツ、ベルギー、ポーランド
2022 4ヵ国プール戦とトーナメント 順位:ジョージア、ポルトガル、ルーマニア、スペイン、オランダ、ドイツ、ベルギー、ポーランド
2021 6ヵ国総当たり戦 順位:ジョージア、ルーマニア、スペイン、ポルトガル、オランダ、ロシア
第二回イングランド大会(1991年)から第八回イングランド大会(2015年)まで、アジア地区代表として、予選を勝ち抜いて来た日本代表、ワールドカップ本戦での勝利はご無沙汰でしたが、次回出場の予選免除いわゆるシード権の常連になって来ました。また、ワールドカップ全大会に出場している数少ない国の一つなんです。
▷第一回RWC NZ・豪大会1987はこちら
▷第二回RWCイングランド大会1991はこちら
▷第三回RWC南アフリカ大会1995はこちら
▷第四回RWCウェールズ大会1999はこちら
▷第五回RWCオーストラリア大会2003はこちら
▷第六回RWCフランス大会2007はこちら
▷第七回RWCニュージーランド大会2011はこちら
▷第八回RWCイングランド大会2015はこちら
▷第九回RWC日本大会2019はこちら
▷第十回RWCフランス大会2023はこちら
日本代表が世界で結果を残すようになったことと、人口の多い、これからラグビーを普及して行きたいのであろうアジア枠が設けられたことは、喜ばしいことです。日本に次ぐ、アジアからのワールドカップ出場はどこになるのでしょうか。また、アジアでラグビーが人気になり活性化して行くことでしょう。かつて日本代表にとって、アジア大会は安泰では無かった頃を知っている私たちにとっては、心配もありますが、そんな時代を観られることがあるのでしょうか。