Bronze Final

ラグビーのテスト・マッチで楽しみなのが、国歌斉唱。心に染み込み、身体の内側から力が湧き出て来る君が代は日本らしくて独特なものです。

God Defend New Zealand

自分たちの土地を守ってくれるに神への感謝の唄、ゴッド・ディフンド・ニュージーランドGod Defend New Zealand。先住民のマオリ語で一番が唄われます。

気持ちが澄み渡るようなきれいなリズムで気持ちが身体の中から高まって来ます。清々しい顔で斉唱していました。にュージーランド・オールブラックスのヘッド・コーチとしての最終戦スティーブ・ハンセン Stephen Hansenの心に一番染みていたように感じました。

Land of My Fathers

自国の土地を愛した唄、ランド・オブ・マイ・ファーザー Land of My Fathersはウェールズの国歌。英語では無く古来のウェールズ語で唄われます。海を越えるので心に染み込むリズムは違えど、やはり身体の内側から気持ちが湧いて来ます。

テスト・マッチ最終戦となるであろうキャプテンのアラン・ウィン・ジョーンズAlun Wyn Jonesの心に秘めた想いが伝わって来た気がします。

敗者復活戦

三位決定戦と言うことで、お互いに準決勝で負けてしまった者同士の敗者復活戦です。そんな状況からして、今までのモチベーションとはやはり残念ながら違います。

何としても勝つぞ。と言う気迫が感じられませんでした。一週間前のまさかの展開で敗れてしまったニュージーランド・オールブラックの残念さを私自身がまだ引きずっているので、そう感じてしまうるのかもしれません。

もしかしたら、やらなくても良いんじゃないとも思ったりもしました。しかし銅メダルを賭けること、交流戦と言うお互いを行き来して祖国の威信を賭けるテスト・マッチを中心に発達して来たラグビーでは、汚れた汗まみれの身体を張ったジャージを試合後に交換したり、アフター・マッチ・ファンクションでお互いの健闘を讃え合い親交を深める文化も一緒に根付いています。

異国の地で行われるワールドカップと言う舞台で勝ち負けだけでは無く、交流・親交と言うことがあっても良いんじゃないかなと思います。

勿論、ゲームは本気。決して慣れあいではありません。親交があり、お互いを尊敬しているからこそ、その敬意を持って本気でぶつかれるのです。倒してやろう、潰してやろうとは思っても、壊してやろう、怪我させてやろう、などとは思わないのです。

そんな清々しさが国歌斉唱から観てとれました。

節目

一方でワールドカップと言う大きな目標に向かってラグビーの流れは回っています。目標とは即ち節目、今大会で引退と言うプレーヤーが多くいます。

両チームのヘッド・コーチもそのうちの一人です。

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Stephen Hansen

王国復活となった自国開催の前々大会のワールドカップでアシスタント・コーチとして、前大会からヘッド・コーチとして今大会限りで代表チームからは身を引くスティーブ・ハンセン。

Warren Gatland

ラグビー王国のニュージーランドからドラゴンの棲む国ウェールズへ渡りレッド・ドラゴンを指揮したウォーレン・ガトランド Warren Gatland。歴代最長期間をウェールズで過ごしました。ニュージーランダーでウェールズの指揮官になるのはグラハム・ヘンリー Graham Henry(前ニュージーランド・オールブラックのヘッド・コーチ)、スティーブ・ハンセン(現ニュージーランド・オールブラックのヘッド・コーチ)に次いで三人目。

プレーヤーでは両キャプテンの他、ベテラン・プレーヤーがおそらくテスト・マッチ、最後のワールドカップになるのでしょう。一生に一度の想いを数回味わったプレーヤーは羨ましい限りです。とても尊敬をします。

Kieran Read

前大会の後、偉大な歴代最多キャップのリッチー・マコウ Richie McCawからキャプテンを引き継いだキーラン・リード Kieran Read。スマートなイメージがあり、密集での泥臭いプレーも上手にこなすスポーツ万能選手。ライン・アウトの起点になることも多い。オールブラックスと言う才能集団のキャプテンと言う世界でも有数な有名人と言う大役を晴れやかに終え、心から拍手をします。

Ben Smith

一見、足が速いようには見えない風貌ですが、走ると凄いベン・スミスBen Smithです。全盛期は過ぎたとは言え、経験を活かしたインサイド・ワークは絶妙で特にハイ・ボールのキャッチやキック処理では安定して観ていられます。アタックでは爆発力は衰えましたが、ボールを継続して活かすスキルは高いです。代表最終戦となるであろうこの試合では、そんな衰えを吹き飛ばす、キレキレの動きでハット・トリックの大活躍でした。

Sonny Bill Williams

リーグ・ラグビーをやっていて、ボクサーのチャンピオンにもなったと言うソニー・ビル・ウイリアムス Sonny Bill Williams。ボクシングのパンチのように繰り出す、オフロード・パスの名手です。おそらくオフロード・パスを世に広めた伝道師です。バックス・ラインの切り込み隊長として、相手ディフェンスの切り込みタックルされながら空きスペースを作りパスをつなぎます。風貌とは異なる穏やかな口調やプレー以外の行動が実に紳士的です。まだまだプレーを見せてくれることを期待しています。

Ryan Crotty

ニュージーランド・オールブラックスのセンターと言う破壊力抜群の猛者を期待するあまり、パンチ力が足りないと感じてしまいましたがライアン・クロッティ Ryan Crottyは派手さはありませんが堅実さがあります。堅実にサポートをするからトライが生まれます。

Matt Todd

どうしても前キャプテンのリッチー・マコウや圧倒的な破壊力を期待してしまうニュージーランド・オールブラックスののフランカーは花形のポジション。マット・トッド Matt Toddはそんな物足りなさ感はあるもののオールブラックスのもう一つの顔であるプレーの基本が出来ているプレーヤーの一人です。

そんな彼らが登場するので、プロ野球のオール・スターみたいです。観るファン側の気持ちも勝ち負けだけではなく、楽しい・面白いゲームを期待します。

楽しい・面白いゲーム

楽しい・面白いゲーはニュージーランド・オールブラックスのの得意とするところ。一瞬の隙を突き、一気にトライまで持って行きます。ノッている時のオールブラックスはもう止められません。

フォワードの機動力、バックスの大型化で世界のラグビーをリードして来たニュージーランド・オールブラックス。

オーソドックスな陣地を取り合い、フォワードの密集での攻防にこだわり、ペナルティ・ゴールで得点を重ねる。そんなゆっくりとしたラグビーをスピーディに変えました。

観ている人たちはボールが動くので面白く、一瞬で攻守が切り替わるので目が離せません。

勿論、プレーヤーもボールを持って走る機会が増えるので楽しいのですが、余計に走らないといけないので、キツくなりました。重たくて力強いだけではなく、走って動くタフさも必要になったからです。

スポーツ(ラグビー)をやって楽しむとは、ワイワイ、ガヤガヤと笑顔で仲良くすることでは無くて、己を鍛え強くなることで、強い相手と闘えること。全力を出して一生懸命に打ち込むことで勝った時の喜び・満足感、負けた時の悔しさと反省によって再挑戦すること です。言い替えると自分の成長を楽しむと言うことでしょうか。

ゲーム感想

緊迫感が少し抜けたことによって、どちらも応援しラグビーそのものを楽しむことにして観戦しました。

準決勝敗退の失意から立ち直った方の勝ちだと予想しましたが、その前に実力の差があったように感じました。

三連覇を狙う世界一のニュージーランド・オールブラックスはこけても、やっぱりオールブラックスなのです。あまり走らない方がゲーム的には接戦となり面白いなと思っちゃいました。

ウェールズに同情してしまうほど、走っちゃいました。

引退

後半に入ると先発メンバーが交代して行きます。80分間をベンチ入りのメンバーを入れた23人で闘うのが今のラグビー。替わりに入った元気なプレーヤーが勢い、流れを変えたり、インパクトを与える役割を果たします。

今大会で引退する名プレーヤーたちの、勇姿を目に焼き付けました。引き際の寂しさをいくつか感じました。

ノーサイド

ラグビーのゲームが終わるとスタンドで応援している家族(子供)を入れるプレーヤーがいます。ラグビー・プレーヤーが家族の一員・パパに戻る瞬間です。

憧れのプレーヤーが小学生くらいの子どもを抱きかかえていたりすると、自分と比べて歳を取ったんだなぁと思います。10年前には私にもあんなに素直で可愛い子どもがいたのに。と想い出してしまいました。

オールブラックスが優勝出来なかった哀愁を自分自身が引きづったままのゲームでした。早く立ち直らないと。

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