ラグビーは球技の中で最多の1チーム15人で行われます。つまり15人対15人で一つのボールを奪い合い、ボールを取ったら相手陣のゴールまでボールを運ぶゲームです。
運ぶ方法はいくつかあり、自分でボールを持って走る、味方にパスをする、ボールをキックすることが出来ます。ボールを前に進める方法は、自分でボールを持って走るか、ボールをキックするしかありません。パスは後にしか投げてはいけません。
ボールを前に運ぶのは、相手陣のゴールにボールを運んでトライをするためです。ボールを前に進めてトライを取るのには二つの手段があります。
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特長を活かす
一つ目は、一対一の場面(ディフェンス一人に対してボールを持っているアタックのプレーヤーが一人)でアタック側がスピードか力で勝つこと。または、隙を突いて勝つこと。
一対一でもミスマッチの状況であれば、特長を活かして勝てます。アタックがフォワードでディフェンスがバックスの場面は力勝負、逆にアタックがバックスでディフェンスがフォワードの場面ではスピード勝負が有効です。
スピード
日本代表のパナソニックの福岡堅樹のスピードは凄いです。一対一なら必ずスピード勝負で勝てるプレーヤーです。彼のスピードは驚異的です。その強さはディフェンスの時も強さを発揮していて、アタックのフォワードのプレーヤーを彼のスピードを活かしてアタックする相手が思うよりも速くタックルすることでディフェンスに優位な状況を創ることが出来ます。受け身が出来ていない相手は当たりに弱いので、身体が小さいプレーヤーでも強い体幹とスピードを身に付ければ身体の大きいプレーヤーにも当たり負けしません。
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プレッシャー
プレッシャーは最も有効なディフェンスの一つです。アタックするプレーヤーにとってディフェンスのプレッシャーほど脅威なものはありません。タックルされる→痛い し、タックルされる→怖い からでしょうか。世界一のニュージーランドのオールブラックスのプレーヤーでさえディフェンスのプレッシャーに負けてしまうことがあります。プレッシャーに負けるとノックオンしたりスローフォワードしたり、ミス・キックをしたり考えられないようなミスをしてしまいます。
プレッシャーに勝つには、プレッシャーを克服するしかありません。プレッシャーに慣れることです。プレッシャーのかかっている状態でも良い判断と良いプレーが出来る様に経験を積むことです。二度と同じ状況は無いと言われているラグビーですが、想定出来る範囲でプレッシャーをかけて練習することは出来ますが、想定外の事態が起こったら、それは相手が凄過ぎるのです。
パワー
一方、力勝負の場合は、身体の大きさの優位性を有効に活かします。背の高さ、身体の重さ、身体の太さは特長です。同じスピード、同じタイミングで当たったら重い方が有利です。強い姿勢で当たって押し込みます。相手と接触する一歩先に足を踏み出すことで強く当たれます。
ミスマッチ
ミスマッチは偶然出来るものではありません。アタック側が意識的にミスマッチを創り出しているのです。
フォワードのサイド・アタック(スクラムやモール、ラックの周辺を攻める攻撃)で相手ディフェンスのバックスを巻き込めば、バックスのラインでアタック側の人数が多い状況になります。バックスのライン攻撃に備えてディフェンスはトイメンを確認しながら人数を合わせるので、巻き込まれたバックスの代わりにフォワードのプレーヤーがバックス・ラインに並ぶとミスマッチが出来ます。
トイメンの確認をする時にマークする相手を声に出します。正面に立っているので背番号が見えません。顔や体形の特徴で呼ばれることがあります。『ハゲOK!!』と言われて落ち込んでいた先輩がいました😢・・・。
ディフェンスとしては、トイメンを見失わないでチームのディフェンスの決め事を守り続けることが大切です。一か所の綻びが決め事を乱してしまい、失点してしまうことが良くあります。味方のピンチを救ってあげられる様になりたいものです。
トイメン:ラグビー用語で自分の対峙する相手のこと。対面と書きます。ハーフ・ウェイ・ラインを対称に線対称となるので、同じ背番号では無い時があります。①のトイメンは③、一人ひとりがトイメンに勝つことがゲームに勝つ近道です。
ラガーマンは、対面通行のことをタイメンツウコウでは無くトイメンツウコウとついつい読んでしまいます。
2対1
ラグビーは、どうやって2対1の場面を創り出すか。と言うゲームであると聞いたことがあります。2対1とは守備側のディフェンスが一人の場面にボールを持っている攻撃側のプレーヤーが二人になっている状態です。
こうなった状態では、確実にディフェンスを引き付けて最後はボールを持っているプレーヤーを余らせれば簡単にトライが取れるからです。
数的有利な状況でも、最終局面で2対1になっていないと、トライを取るのは難しいです。例えば5対4の状況で、アタックのプレーヤーがパスをしながら、ディフェンスのプレーヤーを一人ずつ引き付けて行けば、4対3→3対2→2対1となりそうですが、そうは簡単には行きません。
バッキング・アップと言って、ディフェンスもアタックと同様にサポートして来るのです。またタッチ・ラインはアタックにとっては絶対的な敵となるのです。タッチに出たら相手ボールですから。
2対1の状況にすること、2対1の状況で確実にトライすること の二つの能力が必要です。
2対1を創る
2対1の状況にするには、状況判断能力が必要です。自分がどう動けば良いか、味方にどう動いて欲しいかを咄嗟に判断してコミュニケーション・意思疎通をします。
内側へパス・ダミーを使ったり、デコイ・ランナー(おとり)を使ったりして、トイメンの相手ディフェンスを一瞬立ち止まらせて半歩ズラせれば外を突いて外側のディフェンスが寄って来るので2対1の状況になります。
スペースがある場所で、ディフェンスよりも大回りすることで、半歩外側を走れれば、同じ様に2対1の状況を創り出せます。
相手ディフェンスにマークされて一緒に動き出したら、ガッチンコになるだけなので、トイメンが他に気を取られている隙を突いてマークをズラすのが有効です。
練習では、2対2や3対3の状況から2対1を創り出す感覚を磨くのと、ラグビー場やテレビで上手いプレーを観て真似るのが上達の秘訣です。日本代表にもなったパナソニックの山沢拓也の前に出るセンス、味方を活かすセンスは抜群です。日本開催のラグビー・ワールドカップ2019に出場出来るか楽しみです。
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世界一のスタンド・オフの元ニュージーランド・オールブラックスのダン・カーターのプレーは必見です。状況判断能力が素晴らしいです。
2対1になったら
折角、2対1になっても、トライを取れないと意味がありません。確実にトライを取れる様に感覚を練習で磨きましょう。相手ディフェンスを引き付けてパスする、パスが早過ぎるとディフェンスがズレて一対一になっちゃいます。タックルさせてオフロードでパスするのもありですしパスをすると見せかけて自分で抜いても良いです。味方との意思疎通が出来ずにパスが乱れてノックオンなどのミスをしてしまうのは勿体ないので、渡す側、貰う側がしっかりと指示の声を出し合います。失敗してしまったら、ゴメンと謝るだけでは無くて、何故、失敗したのか、お互いのやりたかったことをしっかりと確認することで、気持ちが伝わるようになります。
最後に余ってボールを貰ったら、トライをしたいです。
➜速く走る
ディフェンスもトライさせまいと必死にバッキング・アップしてタックルに来ます。よーいドンで走ったら、ボールを持っていない時の方が速い訳で追いつかれるのが普通です。でもボールをもっているのはアタックなので好きな様に走るコースを変えられます。ディフェンスは全力で走っている人にタックルすると言う勇気が必要です。ディフェンスに負けない勇気と自信をもって走りましょう。
トライをした後のビールは最高です。